オールインワン薬のメリットは、その名の通り1回の投薬で全ての予防が完了するということです。これは投薬忘れや投薬の重複が起こりづらいということもありますし、何より手間も少なく非常に楽ですよね。

このようにオールインワン薬のメリットは誰しも想像しくわかりやすいものです。一方でデメリットは意外と知られていないことが多いのですが、このデメリットを知っておくことの方が、オールインワン薬の効果を最大限に発揮してもらうには重要なことと考えています。

オールインワン薬のデメリットとしては、ノミ・ダニとフィラリアで予防のメカニズムが異なるということです。メカニズムとかいうとちょっと大げさなのですが、大雑把に言えば、「ノミ・ダニは予防薬なのでノミ・ダニが出てくる前から予防すべき」であり、「フィラリアは駆虫薬なので、蚊が出始めたら薬を始め、蚊がいなくなってから飲み終わる」ということです。まとめると以下のようになります。

ノミ・ダニ：開始時期が重要。ノミ・ダニの出る前から開始する。

フィラリア：終了時期が重要。蚊がいなくなってから最後の投薬を行う。

概ねの活動温度は、ノミが18℃～、ダニが20℃～、蚊が15℃～と言われていますので、18℃を超える前にノミ・ダニの予防を始め、15℃を下回ってからフィラリアの予防を終わらせる必要があります。

当院のある滋賀県では、最高気温が18℃を超えるのが5月、15℃を下回るのが11月なので、オールインワン薬は4月～12月まで飲ませたほうが良いということですね。

ちなみに別々に予防を行う場合は、ノミ・ダニが4-11月、フィラリアが5-12となります。

ちょっとややこしい話ではありますが、せっかく予防しているのですから、最大限の効果が得られるようにお気を付けいただけると良いかと思います。