避妊手術をおすすめする最大の理由はたくさんのメリットがあるからです。それには性ホルモンに関連する問題行動や発情を抑えたり、不本意な妊娠を避けられることも含まれていますが、個人的に思う最大のメリットは子宮・卵巣・乳腺などに関わる病気を予防できることです。特に猫の乳腺腫瘍は多くが悪性。早い時期に避妊手術をすることで乳腺腫瘍の発生率を大幅に低減させることができます。

一方でデメリットはなんでしょうか？

それはずばり全身麻酔であることと開腹手術であることが挙げられます。

健康なねこちゃんの全身麻酔における死亡率は極めて低いものですが、リスクを全て解消することはできません。また、卵巣は腎臓のすぐ近くにある臓器ですので開腹手術が避けられません。

健康な子に麻酔をかけて手術を行う以上、100%きちんとお返しすることが大前提となりながらも、このようなリスクを避けられない手術であることをきちんと知っておく必要があります。

当院ではそれぞれの子に合わせた全身麻酔のプロトコールを作成し、麻酔中のモニタリングに合わせて薬剤を調整するようにしています。

手術においては、あえて小さすぎる切開ではなく（傷が小さいほうが見栄えはいいんですけどね…）、正確な手術が安全に実施できる最小の傷での開腹手術を行うよう心がけています。

もちろん鎮痛剤は必要な量を必要な分だけ投与し、術前～抜糸までの痛みを最小限にもいたします。

最初の手術だからこそ、予防手術だからこそ、安心・安全な手術を提供し、ご家族にもねこちゃんにも負担の少ない手術にしたい。

ご不安やお悩みはいくらでもご相談に乗らせていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいね。